MT4のバックテスト機能を使うことで、過去10年以上のEAのパフォーマンスを検証することも可能です。
また、EAを自作することが出来れば、トレード手法を検証するかなり強力なツールになります。
ここでは、説明用に作った「RSI_BackTest.ex4」を使ってEAのバックテストをする方法を説明します。
※長期間のバックテストを行うためにはMT4にヒストリカルデータを入れる必要があります。ヒストリカルデータの入れ方は「EAのバックテスト用データをMT4に入れる方法」をご覧ください。
目次
ストラテジーテスターの使い方
EAによっては「DLLの使用を許可する」と「自動売買を許可する」にチェックを入れる必要があります。
「ツール」から「オプション」をクリックします。
「エキスパートアドバイザ」タブを選択します。
「自動売買を許可する」と「DLLの使用を許可する」にチェックを付けて「OK」ボタンを押します。
※ストラテジーテスターを開いている状態で「DLLの使用を許可する」にチェックを入れた場合、MT4を再起動またはストラテジーテスターを再表示しないと反映されないようです。一度、MT4を再起動させるのが無難だと思います。
赤枠の「ストラテジーテスター」のボタンを押すとストラテジーテスターの画面が表示されます。
ストラテジーテスターのセッティング
下の赤枠の「セッティング」タブを選択します。
左上の赤枠は「エキスパートアドバイザ」を選びます。
上の真ん中の赤枠は、バックテストするEAを選びます。右にある▽を押すとEAの一覧が出てきます。
「通貨ペア:」 バックテストで使う通貨ペアを選択します。
「期間:」 バックテストで使う時間足を選択します。
「モデル:」 全ティック(利用可能な最小時間枠を使いすべてのティックを生成する、最も正確な方法)、コントロールポイント(ひとつ下の時間枠を使ったおおまかな方法。結果はあまり信頼性はない)、始値のみ(最も早い方法。バーの初めにしか動かないEA向け)、の3種類から選択します。
「スプレッド:」 バックテストの時のスプレッドをポイント単位で指定します。例えば、ここに10と入れると1Pipsでのバックテストになります。
「期間を指定」にチェックを入れて、「開始日」と「終了日」を指定します。チェックを外すと全データになります。
各項目の設定が終わったら、「エキスパート設定」のボタンを押します。
エキスパートの設定
「エキスパート設定」のボタンを押すとEAを設定する画面が表示されます。
テスト設定
「テスト設定」タブを選択します。
ここで、初期証拠金と口座の通貨を設定する事が出来ます。
初期状態では、初期証拠金10000ドルでUSD(ドル建て口座)になっていると思います。(FX業者やMT4のバージョンによって違うかもしれません。)
円建て口座にする方法
▽を押すとリストに円は無いのですが、直接「JPY」と入力することで円建て口座にすることが出来ます。
今回は、円建て口座で初期証拠金100万円でバックテストをしてみます。
※ロットを自動で調整するEAは、口座の通貨を変更すると動かなくなることがあります。EAに対応する口座の通貨を設定してください。
例えば、MT4に付属しているサンプルEA「Moving Average」は、パラメータを初期設定で、円建て口座にすると、証拠金不足(レバレッジ25倍)でうまくバックテストすることが出来ません。
パラメーターの設定
「パラメーターの入力」タブを選択します。
値の赤枠の部分をダブルクリックすると入力できるようになります。ここでバックテストしたいパラメーターの値に変更してOKボタンを押します。
バックテストを開始する
スタートボタンを押すとバックテストが開始されます。
バックテストが開始されるとプログレスバーで進行状態がわかるようになっています。EAのバックテストにかかる時間は、PCの性能やEAによってかなり違っています。数分で終わるEAから数十時間かかるEAまで様々です。
プログレスバーがすべて緑色になって、右下のボタンがストップからスタートに変るとバックテスト完了です。
バックテスト結果を確認する
「結果」タブを選択します。
ここでは、すべての取引の詳細を確認することが出来ます。
「グラフ」タブを選択します。
ここでは、バックテスト結果のグラフを確認することが出来ます。
「レポート」タブを選択します。
ここが一番重要で、バックテストの詳細な情報が確認できます。
レポート内(大きい赤枠)で右クリックをして、レポートの保存をクリックします。
名前を付けて保存のウィンドウが出てくるので、フォルダを選び名前を付けて保存ボタンを押します。
ブラウザーが立ち上がりレポートが表示されます。
これは、EAの販売などの説明でよく見かけるレポートです。
バックテスト結果をチャートに表示させる
バックテストが終了している状態で、「セッティング」タブを選択して、「チャートを開く」のボタンを押します。
このように、取引している場所がチャート上に表示されます。
バックテストの最適化をする方法
最適化を使うことで複数のパラメーターをバックテストすることが出来ます。
「エキスパート設定」のボタンを押します。
「パラメータの入力」タブを選択します。
今回は、2つのパラメータを最適化してみます。
画像では「買いのパーセント」と「売りのパーセント」のパラメーターを最適化します。
最適化するパラメーターにチェックをつけて、スタート、ステップ、ストップの設定をします。
上の画像だと、買いのパーセントはスタート10 ステップ5 ストップ40を入力しています。これは、10から始まって5刻みで40までバックテストをすることになります。要するに10、15、20、25、30、35、40の7パターンのバックテストをするということです。
売りのパーセントのパラメーターは60、65、70、75、80、85、90の7パタンなので、買いのパーセントのパラメーターと合わせて7×7で49パターンのバックテストになります。
パラメーターの入力が終わったらOKボタンを押します。
赤枠の「最適化」のチェックをつけてスタートボタンを押すと最適化が開始されます。
左の赤枠は、バックテストの終わった数と全体の数が表示されています。
右の赤枠は、経過した時間と残りの予想時間が表示されています。
最適化結果の確認
「最適化結果」タブを押します。
ここで、各パラメーターの結果を見る事が出来ます。
最適化が終わっている状態だと、収益が高い順に表示されています。上の赤枠の項目をクリックすると、クリックした項目の値で並び順を変えることが出来ます。
最適化をしている途中で「最適化結果」タブを選択すると、終わっているパラメーターのみが表示されます。
最適化結果のマイナス結果を表示する
初期状態ではマイナスの結果が表示されないようになっています。
「最適化結果」のタブを選択します。
最適化結果の中(大きい赤枠)で、右クリックします。
「マイナスの結果を表示しない」をクリックしてチェックを外します。
※最適化が終わった状態でマイナスの結果を表示しないのチェックを外してもマイナス結果は表示されません。チェックを外した状態で最適化をする必要があります。
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